はじめに
2003年における重症急性呼吸器症候群(SARS)の世界的な流行は、WHOが7月5日に最後のヒト−ヒト感染伝播の連鎖が断たれたことを報告し、ひとまず終息した。幸いわが国における患者発生はなかったが、海外からのSARS感染者の来日問題などへの対応から、わが国の感染症対策のあり方について様々な課題も残した。本稿では、2003年における厚生労働省の対応を中心に検証を交え報告する。
(岩手公衛誌,16(1),15-17,2004.)