第15回岩手公衆衛生学会総会特別講演

後藤新平と公衆衛生

水沢市立後藤新平記念館館長 梅森 健司


はじめに

 「医者には三種類ある。下医は病人を治療し、中医は医者を治療し、上医は国家を治療する」 医家としてスタートした後藤新平は、初め愛知病院の下医として患者を治療。後、内務省に入り中医として活躍し、医界の弊習を矯正することに努めた。それから上医となって、国家非常時の脈拍を検診するに至る。台湾や満鉄における経営をはじめ、鉄道院総裁としても、逓信・内務・外務各大臣においても、国家政策樹立百年の大ビジョン計画は後藤新平の一大モットーであった。

(岩手公衛誌,16(1),9-13,2004.)


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