第16回岩手公衆衛生学会総会基調講演

「食育」を考える

岩手食文化研究会 岩手大学名誉教授 及川桂子


1.はじめに

 「食べる」ことは日常茶飯事の生活行為であるため、現在のように食料が豊富な時代は軽視されがちである。しかし、人間にとって「食べる」ことは生命と人間形成の根源であり、いかに食べるかは、いかに生きるか(人生)を左右するもので、日々のよりよい「食べる」ことが極めて重要である。
 健康で文化的な国民の生活と、豊かで活力ある社会の実現を目的とした「食育基本法案」が、昨年(2004年)3月15日に議員立法で参議院に提出された。その後の動きは今のところないが近い将来この法律が成立されると思われる。本学会において「食育」について討議することは、まさに時機を得たものでその意義は大きいと考える。そこで「食育」について考えてみる。

(岩手公衛誌,17(1),9-10,2005.)


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