第19回岩手公衆衛生学会総会特別講演

誰もが安心して、心豊かに住み慣れた地域で住み続けるためには

兵庫県立総合リハビリテーションセンター 澤村 誠志


1)地域リハビリテーションから、ユニバーサル社会への軌跡

 私は、父が切断者であったことから、「切断者のリハビリテーション」をライフワークとして整形外科医の道を選択した。当時国内での切断・義肢の研修が不可能なことを知り、1960年米国UCLAで義肢を学んだ。帰国後、兵庫県下の身体障害者巡回移動相談に参加し、地域で生活されている多くの切断者の生活から、多くを学んだ。そしてそのニーズから医療リハ・社会リハ・職業リハ・教育リハ・リハ工学・まちづくりなどリハサービスの総合性と連携の重要性を心に刻み、その拠点として、昭和44年兵庫県立総合リハビリテーションセンターを開設に関わった。「障害のある人が私の師、地域が私の教科書」。これが今でも私の永遠のテーマとなっている。

(岩手公衛誌,20(1),8-11,2008.)


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