岩手県某町における成人女性骨密度値の検討

小野田敏行 *1 / 野原 勝 *1 / 勝山 彰 *1 /
栗林 徹 *1 / 立身政信 *1 / 角田文男 *1

*1 岩手医科大学医学部衛生学公衆衛生学講座


キーワード : 骨粗鬆症,骨量測定,集団検診,DEXA法,超音波法

要約

 最近、社会の急速な高齢化に伴い、骨粗鬆症への対応が保健戦略上の急務となった。骨粗鬆症検診の需要が飛躍的に高まる中で、骨量測定用の各種機材が提供されてきたが、なかでも二重X線エネルギー吸収法(Dual Energy X-ray Absorptiometry : DEXA)による骨密度測定装置が精度、非侵襲性などに優れることから、我々は同装置を導入し、野外における集団検診法を設定、実地にて検診を施行し一定の成果を得た。
 最近、我々は低周波超音波法による骨強度測定装置を使用する機会を得たので、従来より使用していたDEXA装置と併せた検診法を設定し、岩手県某町において健常な成人女性1294名について検診を施行して年齢階級別の正常値を得た。
 両法による測定値はいずれも40歳代後半までは明らかな減少傾向は示さず、50歳代前半から著明な減少が認められた。しかし、今回の解析では閉経年数と踵骨骨強度値の間には有意な相関はみられなかった。

(岩手公衛誌,7(1),82-91,1996.)


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