踵骨骨強度および腰椎骨密度と生活習慣との関係

立身政信 *1 / 小野田敏行 *1 / 野原 勝 *1 / 勝山 彰 *1 /
栗林 徹 *1 / 吉岡美子 *1 / 角田文男 *1

*1 岩手医科大学医学部衛生学公衆衛生学講座


キーワード : 骨粗鬆症,集団検診,一次予防,DEXA,超音波法

要約

 骨粗鬆症の集団健診を行うに際し、放射能被曝の問題やこれに関連するマンパワーおよび施設などの有利性から、一次スクリーニングとして超音波法による踵骨骨強度測定を採用している。骨粗鬆症は本来一次予防を最重点とするべき疾患であり、健診システムはそのモチベーションを高めるための資料を提供する役割を持つと考えられるが、上記健診システムがそうした観点からの妥当性を持つか否かを検証した。
 その結果、超音波法による踵骨骨強度の測定値は、二次検査として行っているDEXAによる腰椎前後方向の骨密度測定値と比較しても、生活習慣等との関連性がより強く見出され、骨粗鬆症の一次予防のためのモチベーションを高める資料として有用であり、この健診システムが妥当であることを認めた。

(岩手公衛誌,7(1),92-98,1996.)


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