職場における定期健康診断項目の性・年齢別有所見率の検討

野原 勝 * / 中屋 重直 * / 角田 文男 *

* 岩手医科大学医学部衛生学公衆衛生学講座


要約

 職場における健康管理の目的で,毎年1回定期健康診断が実施されているが,その結果,現在3人のうち1人に何らかの所見を認めている状況にある。そこで,一健診機関で1年間に実施された職場における定期健康診断結果をもとに、各健診項目の性・年齢別の有所見者率を検討し、定期健康診断の結果について検討を行い、その評価について考察を行った。
 その結果、健診項目別の有所見者率は項目間で大きな差が認められ、また同じ項目においても男女間,年代間に大きな差が認められた。そのため健診結果を、受診者の健康状態の総合判定や健診後の事後指導、また事業所間での健診結果の比較など、有効に活用するため、各健診項目ごとに性・年齢別の有所見者を求める必要があると考えられた。

(岩手公衛誌,9(1),73-78,1998.)


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