キーワード:疫学研究,個人情報保護,業務委託,契約書
要約
根拠に基づく健康政策の実践のため、健康増進法では国および地方公共団体において生活習慣病の発生状況を把握することを求めている。本研究では、市町村などの行政機関が事業評価のための疫学研究を大学等研究機関に委託する際に締結する契約書について、個人情報保護の観点から記載すべき事項について検討した。個人情報の適正な管理、再委託の禁止又は制限、秘密保持の義務、目的外使用の禁止、複写及び複製の禁止が最低限必要な項目と考えられた。今後は疫学研究に関する倫理指針に基づいて、倫理審査委員会やインフォームド・コンセントの手続きと同様、個人情報保護に配慮した契約書を行政機関と研究機関が締結することが重要である。
(岩手公衛誌,16(2),21-26,2004.)