キーワード:educational program on depression, community based approach, prevention of suicide
要約
岩手県は自殺の高率県であり,特に北部地域で高い。我々は県北部に位置する久慈医療圏(1985年から1999年の自殺の全国を基準とした標準化死亡比:男 2.6,女 2.4)において,隣接する宮古医療圏(同男 1.8,女 1.4)を対照地域として,自殺予防のための大規模地域介入研究を平成14年度より開始している。介入の一環として同地区保健所と各市町村センターと連携し保健医療圏単位で,住民を対象としたうつ病教育にとりくんでいる。本稿では,実施したうつ病教育の内容について紹介する。うつ病教育の名称は「北リアス健康塾」であり,うつ病について理解を深める事を目的としたセミレクチャー及び小グループの座談会の二部形式により構成されている。所要時間は合計90分で,当日のスタッフとしては教育担当者,受付と司会者など最低3名が必要となる。
(岩手公衛誌,16(2),34-45,2004.)